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2012年9月

2012年9月28日 (金)

事業を始めると決めたら・・・・(3)

皆様、こんにちは。

前回は、「ボトムアップ方式」に基づいた利益計画における、

- いくら売って

- いくら仕入れれば

- いくら儲かる(利益が出る)

という関係についてお話しました。

適切な利益計画を策定するためには、単純に売上高及びコストを見積もっていく方法では、

● 利益を出す(事業が縮小せずに継続できる)ためには、いくら売らなければならないのか

● 売上高がいくらを下回ったら事業を継続できなくなるのか

について明確とはなりませんので、上記の関係を把握するための分析手法が必要となります。

その一手法として、CVP分析(Cost-Volume-Profit Analysis、損益分岐点分析を含む概念)があります。

短期利益計画においては、生産量・販売量(以下、“営業量”といいます)、コスト、利益の相互関係についての情報が役に立つのですが、経営者・事業者にとって、営業量はコントロール可能な重要な要素です。

こで、営業量を変化させたときに、コストがどう変動するのかを予測できれば、獲得する利益についても予測し、コントロールすることが可能なのです。

とすると、コストは営業量の変化に応じてどのように反応するかという観点から、コストを「変動費」と「固定費」に分類する必要があります。

例えば、ケーキを作る際に必要となる、
・小麦粉
・卵
・バター
・砂糖
・果物

などの材料費は、ケーキを10個作る時には1個作る時の10倍かかってしまいますから(*)、「変動費」と考えます。
(注: *この話の前提として、歩留まりについては無視して考えます。)

また、ケーキをたくさん作ると、

・電気

・ガス

・水

もたくさんかかります。

でも、作るケーキの量が多いと少ないとに関わらず、お店を明けておくために使う照明や暖房、水もあります。

ケーキの量に応じて変化する部分は「変動費」、ケーキの量に関係なく発生する費用を「固定費」として分けて行けばよいのです。

人件費や家賃も、突然営業量が増えて社員を倍にしたり、借りている店舗を増やしたりすることがなければ、「固定費」と考えてよいでしょう。

このようにして、コストを「変動費」と「固定費」に分け、売上高と利益との関係を図にすると、以下のようになります。

20120928_3

上記の図の、赤線(売上高)青線(変動費と固定費の合計)が交わるところ(図では紫の●点)は、売上高=コストの点であり、利益が±ゼロの地点を示します。

つまり、図の紫の●点よりもたくさんの製品・商品を売らないと、利益が出ないのです。

そして、紫の●点よりも右側、つまり紫の●点よりもたくさん売った場合に発生する利益は、図の黄色で囲んだ三角の面積で求められることになります。

短期利益計画においては、当然紫の●点よりも右側の売上高を目標として設定する必要があります。


・・・・このように、CVP分析(損益分岐点分析)では、事業を継続していくためにはいくらの売上を上げなくてはならないか、コストをどれだけに抑えなくてはならないのか、についてが明らかになります。

事業を始めようと決めたとき、このように売上高・コスト・利益の関係を分析し、意思決定のための一指標とされることをお勧めいたします。


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小笠原会計事務所
公認会計士 税理士
小笠原 薫子
URL: http://ogasawara-accounting.my.coocan.jp
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2012年9月27日 (木)

事業を始めると決めたら・・・・(2)

皆様、こんにちは。

前回は、「トップダウン方式」に基づいた利益計画の必要性について書きました。

しかし、トップダウン方式の考え方は、えてして理想に走ってしまい、現実と乖離してしまうという側面も含んでいますので、現実的なプランニングを行うために、「ボトムアップ方式」による利益計画の作成も必要でしょう。

ボトムアップ方式」の利益計画とは、営業を行っていく際に、実際にどれだけ売れるのか、どれだけのコストがかかるのか、見積もりの金額を積み上げていくことにより作成されていきます。

①. まず、売上高について。

見積売上高は、一日に何人のお客様が来て、お客様一人当たりどれだけの金額を購入するか、を見積もり、年間の営業日数を乗じれば年間の見積売上高が計算できます。
もし、季節的な変動(例: ケーキ・洋菓子の売上は、クリスマス前に一気に伸びます)など、特殊な条件・環境等がある場合は、それらについても考慮する必要があります。


②. 見積売上高が算定できたら、次はコスト(仕入高・経費)の見積もりです。

①で見積売上高が決まれば、その売上高を達成するために売らなければいけない製品・商品の数が決まってきます。
売らなければいけない製品・商品をつくるために、いくらコスト(=仕入の金額や経費)がかかるのかを見積もるのです。

- 製品を製造するためにかかる材料費は?
- 仕入商品にかかるコストは?
- 人件費は?
- 光熱費は?
- 家賃・減価償却費は?

などなど・・・・。

なお、

売上高総利益率(粗利率)={(売上高)-(仕入高)}/(売上高)

については、中小企業庁から「中小企業実態基本調査」の中で、

・産業別・従業者規模別
・産業中分類別
・産業別・資本金階級別
・産業別・売上高階級別
・産業別・設立年別

の統計が公表されていますので、プランニングの際には参考になると思います。


③. 見積売上高と見積コスト(仕入高・経費)が決まれば、見積利益がわかります。

「①見積売上高」と、「②見積コスト(仕入高・経費)」が計算できたら、

(見積利益)=(見積売上高)-(見積コスト)

の計算式から、売上計画・仕入計画・経費計画に基づいて営業したならどれだけの利益が上がるのか、が判明します。


・・・・このような、実際にどれだけ売って、どれだけ仕入れれば、どれだけのコストがかかり、どれだけの利益が上がるのか、見積の金額を積み上げて計画していく方法を、「ボトムアップ方式」といいます。

ただ、上記のように単純に売上高及びコストを見積もっていく方法は、

● 利益を出す(事業が縮小せずに継続できる)ためには、いくら売らなければならないのか

● 売上高がいくらを下回ったら事業を継続できなくなるのか


について明確にすることは出来ません。

そこで、これらの点を明確にするための分析方法があります。

それは、次回に説明しましょう。

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2012年9月26日 (水)

事業を始めると決めたら・・・・(1)

皆様、こんにちは。

前回は、「事業を始めたい」と考え始めたばかりの知人のケースについて書きました。

さて、「事業を始める」と決めたら、次は何をしたら良いでしょうか。

余程の例外を除いては、事業を始めようという時は誰しも、その事業を将来に向かってずっと続けて行きたいと願っているはずです。
それには、利益を獲得し、管理していかなくてはなりません。

そこで、まず、中・長期利益計画を立てることが大切です。

中・長期利益計画は、例えば3年~5年先の事業のあるべき姿(=ビジョン)を構想する計画です。
具体的には、○年後には□□人の従業員を雇い、△△設備を入れて製品の種類をいくつに増やし、店舗数も×店舗に増やす・・・・といったプランを考えていくのです。

次に、この中・長期利益計画を達成するためには、「1年目はいくらの利益が欲しいか」が決まってきて、そのためには1年目にどれだけの製品をつくって販売しなくてはならないか、などが見えてきます。

つまり、

年間目標利益)  =(年間目標売上高)-(年間予定経費
 
↑確保すべき利益

となります。

このような考え方を、「トップダウン方式」と言います。

ここまで考えてくると、将来の事業についてのビジョンが広がってきて、多少の環境の変化や変動があっても、究極的な目標に向かって自分が何をしなければならないのか、ということに注力する姿勢が出来やすいのです。

ただし、トップダウン方式の考え方は、えてして理想に走ってしまうという面もありますので、現実的なプランニングを行うという観点から、「ボトムアップ方式」による利益計画も検討することが大切でしょう。

ボトムアップ方式」による利益計画については、次回ふれることにしましょう。

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2012年9月25日 (火)

事業開始の際にまず初めに決めること

皆様、こんにちは。

皆様は、事業を始める際(会社設立、個人事業開始)に、最初に何を決めますか?

営業する場所ですか?
従業員の数?
それとも、
資金繰りのことでしょうか?

会計事務所を開業して間もなくの頃、知人から、「税金のことで相談したいことがある」と連絡がありました。
何か、お店を開きたいとの事でした。

お店を開くなんて、大変素晴らしいことですし、とにかく直接会って詳しい話をお聞きしましょうということになり、早速スケジュールを調整してお会いすることにしました。

お話を聞いてみると、飲食店(洋菓子・軽食)を開きたいとのことで、どのくらいお金がかかるのか、どうやって調達するのが良いのか、迷っているということでした。
初めは、資金繰りの問題かと思いましたが、続けていろいろ話を掘り下げてみたところ、すぐに問題は違うところにあることに気づきました。

その方は、

- お店を開店するためノウハウ本のコピーや、

- ネットで調べた開業関係の情報の印刷物、

- お店の候補地の資料(①東京23区の若者の集まる場所、②ご実家、③関東北部の親御さん所有の店舗、など)、

- 他のお店のホームページからとったメニューの印刷物、

- 金融公庫のローンの資料

など、たくさんの資料を集めていろんなことを調べていて、しかも、いつでもお店のことを考えることができるようにいつもそれらを持ち歩いているとのことでした。
しかし、資金のこと、場所のこと、販売方法のこと、価格設定のこと、、、、すべてについて悩んでしまって決めることができない、とおっしゃいました。

なぜ、その方はそこで立ち止まってしまったのか。
それは、肝心なことが欠落していたからです。

例えば、お店の場所ですが、その方が候補と考えている

①東京23区の若者の集まる場所
②ご実家
③関東北部の親御さん所有の店舗

とでは、あまりにも条件が異なりすぎます。
にも関わらず、その方は、①~③の候補地を同列として考えており、①~③のどの場所にお店を開いたらよいのか、悩み続けていたのです。

問題はつまり、

「何を」

「誰に」

売りたいのか、についての明確なイメージを、その方は決めていらっしゃらなかったのです。


「何を」 「誰に」 が決まっていなければ、

どこで売らなくてはならないのか、

どんな方法でなくては売れないのか、

という議論には進めません。

必要な資金、お店の規模、価格などは、その後に決定する項目です。

私は、その方に、まず、

「何を」

「誰に」

売りたいのか、具体的なイメージを持ってくださいとお願いしました。
資金計画や、価格設定等は、その後改めてご相談にのります、と申し上げました。

お店をオープンする目標は1年後とのことですので、まだ時間的に余裕がありますから、秋のうちにいろいろなお店の成功例などをリサーチして、秋以降は具体的になったプランに基づいて活動を始めるのが良いでしょうともお伝えいたしました。

その方からは、うれしいことに、「お店を開く決心はしたものの、何もかも悩むことばかりで先に進めないでいたが、小笠原さんと会って話を聞いているうちに、いろんな課題がクリアになり、自分がやらなくてはならないことがわかってきました」とおっしゃっていただきました。
その後、何度かE-mailで状況についてご連絡いただいたりしています。

世間には、事業を始める際の情報に溢れていますが、最も大切なことは、自分が「何を」 「誰に」 売りたいのか、ですね。

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小笠原会計事務所
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小笠原 薫子
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2012年9月24日 (月)

はじめまして。小笠原会計事務所です。

はじめまして。

公認会計士・税理士・行政書士の 小笠原薫子 と申します。

平成7年に公認会計士第二次試験に合格した後、約16年間にわたり、BIG4系の監査法人・税理士法人(PricewaterhouseCoopers及びErnst & Young)にて、会計監査、税務及び関連コンサルティング業務、内部統制構築、プロセス改善に関するコンサルティング、IT関連コンサルティングにも携わってまいりました。
(詳しいプロフィールは、コチラ → http://ogasawara-accounting.my.coocan.jp/index2f.html

定型的なお仕事にもやりがいを感じますが、お客様と一緒にゼロから何かを創っていくことが大好きで、2012年7月に、埼玉県草加市において独立開業いたしました。


これから、会計・税務や仕事について日頃思うことをブログに書いていきたいと思います。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

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