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2012年10月 5日 (金)

個人事業 vs 会社設立(2) - 税金のいろいろな側面

皆様、こんにちは。

前々回は、所得金額に課せられる税金の税率を、個人事業と会社とで比較してみました。
 ↓
http://ogasawara-accounting.tea-nifty.com/hp/2012/10/vs-b652.html


今日は、個人事業と会社とで、税率以外の項目ではどのような違うのかについて考えてみます。


(1)経営者の給料の扱い

利益に対する影響が大きいと思われる項目として、経営者自身の給料(役員報酬)の取り扱いの違いが挙げられます。

個人事業の場合、経営者自身の給料を経費とすることはできませんが、会社の場合は経営者の給料も経費として収入から控除できます。


(2)家族従業員の給料の扱い

家族の給料についても違いがあります。

会社の場合は必要経費として落とすことができますが、個人事業の場合は税務署に事前に届出書等を提出しなければ経費にできません。


(3)経費の取り扱い

経費については、個人事業での取り扱いと会社での取り扱いが異なる費目がいくつもあります。

例えば、会社では社宅の家賃も経費として認められますが、個人の場合は認められません。

また、個人の場合は事業主と生計を一にする親族に支払った賃借料は経費として認められません。

一方で、交際費や寄付金について、会社では税務上必要経費として認められる金額について制限が設けられていますが、個人事業では税法に規定がないため、個別に必要経費に該当するかどうかを判別しなければなりません。

さらに、会社の場合、青色申告・白色申告を問わず引当金の計上が認められますが、個人事業の場合は青色申告の場合にのみ引き当てが認められています。


経費の取り扱いの違いが、会社に有利に働くか、個人事業に有利に働くかは、個々のケースによって異なるため、一概にどちらが良いのかを言い切ることは正直難しいです。


(4)赤字となった場合の損失の繰越(青色申告の場合)

できれば赤字にはなりたくないものですが、赤字となった場合、会社の場合はその損失を9年間繰り越すことができます。

しかし、個人事業においては3年間のみしか損失を繰り越すことができません。


(5)決算・申告に係る負担

税金の金額自体に関係はないのですが、税金に関することで影響が大きいのは、決算・申告に係る作業負担です。

会社の場合はきっちりとした記帳・決算を行なって確定申告を行なわなくてはなりませんが、個人事業の場合は簡単な記帳で済ませることもできます。


・・・・世間では、よく「節税のためには会社設立を!」と言われますが、こうみると税金面では会社の方が有利な規定が多いように見えます。

ただ、「節税」という側面は、事業を行なうにあたって考慮すべきもののうちの一部にすぎないと私は思うのです。

次回、個人事業か会社設立かを決める際に、税金以外に考慮すべき点について書きたいと思います。

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小笠原会計事務所
公認会計士 税理士
小笠原 薫子
URL: http://ogasawara-accounting.my.coocan.jp
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