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2012年10月16日 (火)

会社が青色申告する時のメリット

皆様、こんにちは。

前回は、会社が青色申告を行うためにはどうすればよいのかを書きました。

今日は、会社が青色申告を行ったらどうなるのか?そのメリットについて書きたいと思います。


1. 欠損金の繰越し

青色の確定申告書を提出した会社で欠損金が生じてしまった場合、翌事業年度以降9年以内の各年度の所得金額から、その欠損金の金額を控除することができます。

※平成23年度の税制改正により、従来は7年だった繰越期間が9年に延長されました。
これにより、3月決算の会社であれば、平成21年3月期以後の欠損金より9年間の繰越が可能となりました。
しかし、ここで注意すべきなのは、9年間の欠損金の繰越の適用を受けようとする場合は、帳簿書類の保存期間も9年間必要ということです。


ちなみに、繰越の期間は、

・平成16年度改正により、5年→7年に

・平成23年度改正により、7年→9年

と変遷しており、会社にとっては歓迎すべき改正の一つと言えると思います。


また、繰越欠損金を損金に算入するためには、欠損金が生じた翌年から毎年連続して確定申告書(白色でも可)を提出していなければなりません。
つまり、無申告の年度があればこの取り扱いを適用できません。

なお、平成24年4月1日以降に開始する事業年度から、繰越控除の限度額が、繰越控除前の所得金額の80%までに制限されることになりました。
ただし、中小法人等(資本金5億円以上の会社の100%子会社を除く)、公益法人等、協同組合等及び人格のない社団等については、従来どおり全額を控除することができます。


2. 欠損金の繰戻し

青色申告書を提出する会社で生じた欠損金は、その欠損金の生じた事業年度(欠損事業年度)の期首以前1年以内に開始した事業年度(「還付事業年度」)に繰り戻して、法人税額の還付を受けることができます。
ただし、資本金1億円超の会社及び資本金5億円以上の会社の100%子会社は、欠損金の繰戻し還付は受けられません。


具体的には、以下の数式で計算した金額の還付を受けることができます。

  (還付金額)=(還付事業年度の法人税額)×(欠損事業年度の欠損金額)/(還付事業年度の所得金額)


3. 各種準備金の積み立て、特別償却、税額控除

さらに、青色申告書を提出する会社は、租税特別措置法に定められている準備金の積立金額の損金算入、特別償却、税額控除が認められています。
(租税特別措置法 §55~§57の9、§58、§61の2、§42の5~§48、§42の4~§42の12)


4. 税務調査

青色申告書を提出する会社の税務調査の際、その会社の帳簿書類を調査して誤りがあることが認められた場合にのみに是正されます。
つまり、推計課税(=帳簿書類に不備があるため所得金額を把握できない場合、売上高、仕入高、経費などを推計することにより税額を算定する方法)による更正を受けることはありません。

また、税額が更正された場合、更正通知書にはその更正理由が付記されます。

さらに、更正処分に対し、異議申立てをせずに直接審査請求をすることができます。



・・・・会社が青色申告を行うことのメリットの概要はこのようなものになります。

日本では、税金を納める人が自主的に申告することにより納税金額を確定する、という「申告納税制度」を採択しています。

申告納税制度」を普及させるためには、税金を納める人が自分の所得をきちんと計算できるよう、正確な帳簿書類を作成・保管することが必要です。

青色申告制度のメリットは、日頃からきちんと帳簿書類を作成・保管している人へのごほうびです。

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小笠原会計事務所
公認会計士 税理士
小笠原 薫子
URL: http://ogasawara-accounting.my.coocan.jp
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