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2012年10月11日 (木)

青色申告って・・・・(個人)

皆様、こんにちは。

先日のブログ「個人事業 vs 会社設立(2) - 税金のいろいろな側面」の(5) ↓

http://ogasawara-accounting.tea-nifty.com/hp/2012/10/post-2070.html

に、

「会社の場合はきっちりとした記帳・決算を行なって確定申告を行なわなくてはなりませんが、個人事業の場合は簡単な記帳で済ませることもできます。」

と書かせていただきました。

会社(株式会社)の場合、会社法で、

「適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない」

「会計帳簿の閉鎖の時から10年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。」

と定められていますので、正規の簿記に厳密に準拠して厳格な帳簿を作成しなくてはなりません。


これに対し、個人はどうでしょう?

・・・・というわけで、今日は個人事業主の青色申告制度について触れたいと思います。

「青色申告制度」とはなんでしょう?
なぜ、「青色」って言うのでしょう?

青色申告制度は、きちんと帳簿をつけ、その帳簿に基づいた正確な申告を奨励するために、ちゃんとした帳簿書類を作成している個人に青色の紙(申告書)を用いて申告することを認め、その青色申告者にはいくつかの得点を付与しようという制度です。

⇒それで、「青色申告」というのです。

この制度は、不動産所得、事業所得、山林所得がある人に認められています。
青色申告」をしたい人は、通常は青色申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後新たに業務を開始した場合には、業務を開始した日から2ヶ月以内)に「青色申告承認申請書」を税務署に提出しなくてはなりません。
(相続によって事業を承継した場合は、相続の開始を知った日=死亡の日の時期に応じて提出期限が定められています。)


この、「青色申告者が作成すべき帳簿」にはいくつかのレベルがあって、

①正規の簿記の原則による方法(基本はこれです)

=所得の金額が正確に計算できるように、資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引を、正規の簿記の原則に従い、整然と、かつ、明瞭に記録し、その記録に基づき貸借対照表及び損益計算書を作成する方法。


②簡易簿記による方法


=複式簿記によらず、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳を行う方法。


③現金主義による方法


=現金の収支があった時点で取引を認識して記帳する方法。


の3タイプがあります。


青色申告」を行う人の特典として、

● 赤字(純損失)となった場合、その赤字の金額を翌年以後3年以内の所得金額から差し引いて税金を計算することができたり、


● 赤字(純損失)となった場合、

(前の年の所得に税率をかけた金額)-(前の年の所得金額から今年の赤字の金額を差し引いた金額に税率をかけた金額)

に相当する金額の還付を受けることができたり、


● 引当金や特別償却準備金を必要経費に含めることができたり、


● 青色申告者の家族専従者への給与を必要経費に含めることができたり、


● 所得の金額から一定額を差し引いた金額を基に税金を計算できたりします。
青色申告特別控除

この青色申告特別控除について少し詳しく見てみますと、青色申告を行う人の所得の金額から、

- 上記
①正規の簿記の原則による方法で帳簿を作成している場合は 65万円

- 上記②簡易簿記③現金主義の場合は 10万円

が控除されるのです。

(=所得が控除されて小さくなる分、税金も安くて済む、ということ。)


ひとくちに「青色申告」といっても、個人の場合は帳簿の正確性にランク(上記①正規の簿記の原則による方法②簡易簿記による方法、及び③現金主義による記帳)があり、そのレベルによって特典も大きかったり小さかったり。。。。

初めてこのことを勉強した時、会社の法人税の規定に比べて、個人の所得税の仕組みって面白いなと思った記憶があります。
会社法でガッチガチに固められた(※実際にはかなり解釈が入り込む余地があって柔軟なのですが、試験合格直後はそう思っていました)法人税法に比べ、所得税ってなんだかユルい感じがしませんか?

(注)最後の段落は、私個人の私見でありますので、受け流していただければ幸いです。

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小笠原会計事務所
公認会計士 税理士
小笠原 薫子
URL: http://ogasawara-accounting.my.coocan.jp
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